短編オートバイ小説 「いなかの悪ガキ 2」
2006年 05月 23日
(前回より続く)
夕ごはんを済ませてケンジとミチコが広場に戻ると、仮面ライダーはボンカレーを食べていた。
「たいしたもん食ってねーなあ。」とケンジがつぶやくと、
「いなかの悪ガキはしょうがねえなあ。」と笑っていた。
「おじさん、おれんち民宿やっててさ、かあちゃんがうちの風呂に入っていいって言ってたよ。」
「ホントかよ。そりゃーありがてえや。でも俺はおじさんじゃねぇーぞ。おにいさんて呼べよ。わかったか?」
いっしょにケンジの民宿に行くと、ケンジのお母さんにむかって、
「いいお子さんですね。」
なんて、お世辞を言っていた。
さっきまで、悪がき呼ばわりしていたのに。ケンジはおかしかった。
夏休みが終わって、運動会の練習が始まった頃、ケンジあてに手紙が届いた。
中には、ポチを抱いてバイクにまたがったケンジの写真だけが入っていた。
差出人の名前は書いてなかった。
二十歳になった夏に、ケンジはバイクで旅に出た。
まっすぐのびる田舎の国道を走っていると、前から給食袋を蹴りながら5人の小学生がやってきた。
すれ違う瞬間に左手でピースサインを出して、バックミラーを覗くと、飛び跳ねながら手を振る悪ガキどもの姿が見えた。
フルフェイスのヘルメットの中で、ケンジはひとりつぶやくのだった。
「いなかの悪ガキはしょうがねえなあ。」
夕ごはんを済ませてケンジとミチコが広場に戻ると、仮面ライダーはボンカレーを食べていた。
「たいしたもん食ってねーなあ。」とケンジがつぶやくと、
「いなかの悪ガキはしょうがねえなあ。」と笑っていた。
「おじさん、おれんち民宿やっててさ、かあちゃんがうちの風呂に入っていいって言ってたよ。」
「ホントかよ。そりゃーありがてえや。でも俺はおじさんじゃねぇーぞ。おにいさんて呼べよ。わかったか?」
いっしょにケンジの民宿に行くと、ケンジのお母さんにむかって、
「いいお子さんですね。」
なんて、お世辞を言っていた。
さっきまで、悪がき呼ばわりしていたのに。ケンジはおかしかった。
夏休みが終わって、運動会の練習が始まった頃、ケンジあてに手紙が届いた。
中には、ポチを抱いてバイクにまたがったケンジの写真だけが入っていた。
差出人の名前は書いてなかった。
二十歳になった夏に、ケンジはバイクで旅に出た。
まっすぐのびる田舎の国道を走っていると、前から給食袋を蹴りながら5人の小学生がやってきた。
すれ違う瞬間に左手でピースサインを出して、バックミラーを覗くと、飛び跳ねながら手を振る悪ガキどもの姿が見えた。
フルフェイスのヘルメットの中で、ケンジはひとりつぶやくのだった。
「いなかの悪ガキはしょうがねえなあ。」
by mac-trading
| 2006-05-23 09:28
| 旅