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マックトレーディング


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短編オートバイ小説 「いなかの悪ガキ 2」

(前回より続く)

夕ごはんを済ませてケンジとミチコが広場に戻ると、仮面ライダーはボンカレーを食べていた。
「たいしたもん食ってねーなあ。」とケンジがつぶやくと、
「いなかの悪ガキはしょうがねえなあ。」と笑っていた。

「おじさん、おれんち民宿やっててさ、かあちゃんがうちの風呂に入っていいって言ってたよ。」
「ホントかよ。そりゃーありがてえや。でも俺はおじさんじゃねぇーぞ。おにいさんて呼べよ。わかったか?」

いっしょにケンジの民宿に行くと、ケンジのお母さんにむかって、
「いいお子さんですね。」
なんて、お世辞を言っていた。
さっきまで、悪がき呼ばわりしていたのに。ケンジはおかしかった。

夏休みが終わって、運動会の練習が始まった頃、ケンジあてに手紙が届いた。
中には、ポチを抱いてバイクにまたがったケンジの写真だけが入っていた。
差出人の名前は書いてなかった。

二十歳になった夏に、ケンジはバイクで旅に出た。
まっすぐのびる田舎の国道を走っていると、前から給食袋を蹴りながら5人の小学生がやってきた。
すれ違う瞬間に左手でピースサインを出して、バックミラーを覗くと、飛び跳ねながら手を振る悪ガキどもの姿が見えた。
フルフェイスのヘルメットの中で、ケンジはひとりつぶやくのだった。
「いなかの悪ガキはしょうがねえなあ。」

短編オートバイ小説 「いなかの悪ガキ 2」_f0088641_9331430.jpg

by mac-trading | 2006-05-23 09:28 |